とろんぼにうむ

思い立ったときに徒然なるままになにか書く場所

フィガロ吹のおもいで(本番当日編 世界崩壊後)

このお話はフィガロ王立吹奏楽団に参加した一人の奏者のとりとめもない話の本番編(後半)です。練習編はこちら本番編(前半)はこちらから。

世界崩壊以降、ここからが演出も一番大事なところになってきます。なんせ、フィガロ吹で増えたキャストが活躍する演出はむしろ後半のほうが多いのですから。。

 全力で泣かせにかかってる(3部)

楽屋に戻ったらマスクを取り払って水(

3部はいろんな形の愛を詰め込んだステージだったとおもいますね。だからこそジーンとくるシーンが多かったのですが。。

世界崩壊後、最初に演奏したのはセリスのテーマ。フィガロ吹の力をもってしてもおじいちゃんは助けることができませんでした。 たいせつなおじいちゃんを失った悲しみに絶望する姿、鳩に結ばれたバンダナをみて再起する姿を愛おしく表現してくれました。そこから繋がる「永遠に、レイチェル」。セリスがメロディを演奏したのですが、指揮しているのがロックなので、「元カノ曲をセリスに演奏させるとか鬼畜!」なんて書かれててちょっと笑ってしまいましたw レイチェルを目の当たりにして、それでもなおレイチェルへの思いを持ったありのままのロックに心を寄せるセリスっていいとおもいましたけどね。

そして次はセッツァーとダリルのシーン。ダリルのことに思いを馳せるセッツァー。フィガロオケでも演出していたはずなんですが、さすが 2回目ともなるとたそがれている演技のクオリティがすごい。「待ちな」で笑いを取っていた人とは思えない!そして流れる名曲、仲間を求めて! 2ループ目に各キャラのアレンジをいれてくる演奏、実は練習ですっごく時間かかりました。原曲とは異なるのでなかなかそのアレンジに対してイメージがついていかないのが自分にとっての理由だったのですが、連続していくフレーズを担当する楽器もバラバラなので音量面でのコントロールも難しかったのかなと思ったりしました。皆さんはどのキャラクターのフレーズが入っていたのか全部わかりましたか?

ファルコンを手に入れた一行が向かった先、というイメージで次はジドールへ。からくり屋敷の曲の冒頭を T.Sax. シンディさんと、B.Sax. ゆぽさんがとても怪しげな音色で表現してくれて、真後ろで聴いていてとても耳心地がよかったです。スイッチ操作による照明の切り替えの表現もうまいことできてるなーと奏者サイドにいたのに思いました。そして、その流れからのリルムのテーマ。素敵なアレンジありがとうございました。感情をすてて生きてきたシャドウが全力で感情を表現したのがこの曲でした。レフィアさん演じるリルムとのデュエットですね。初回練習ではオブリガート吹きすぎマンになってしまっていたのですが、練習でトモさんに褒められるぐらいには寄り添える演奏になったかと思います。
というか、リルムとシャドウが立って一緒に演奏するとか、もう「ずるい」以外の言葉がないでしょう。なんなら奏者側もウルウル来てる人いましたし、立った瞬間に客席が息を飲んだのわかりました。マスクを外さず演奏できないと意味がないと思ったのもひとえにこの時のため!と言っても過言ではなかったです。そして、吹き終わった後にもうひと演出。これは完全にモグのよしのさんの入れ知恵から生まれてるんですけど、リルムが座るのを見届けてからワンテンポ遅れて座るということをしました。自分でやっておきながら、あーこれは尊いわーなんて思ってました。自作自演なのにw

まだまだ、愛は続きます。マランダの町にいるローラ宛てに恋人の代わりに恋文を送り続けたカイエン。その足取りを追う過程で流れる曲。スラムシャッフルではZOZOTOWN 街に雨が降る効果音も表現されました。ほかの箇所で触れませんでしたが、川のせせらぎ、波打ち際、そして雨の音。水の表現だけでもこれだけあったわけですからパーカッションの表現力はすばらしいですね。そして、ゾゾ山で流れる霊峰コルツ。オーケストラのときはコルツ山の曲として演奏されたんですよね?今回はまつさん演じるカイエンが主役なのでこういう構成になっています。

そして、荒れ果てたドマ城に到着する一行。カイエンが夢の世界に囚われてしまうシーン。ここで、装い新たに硅さんがミナ役で登場。そして、フルートのいがさんが 3部からシュン役でコスプレをしていました。カイエンの物語を語るうえでミナとシュンはやっぱり重要だと思うのでとても大事な配役だと思いつつ、リハーサル中の演出確認中はずっと見ていましたw 演者側にしかミナとシュンの表情見えなかったと思うんですけど、とても切なそうな表情だったんですよ。また、それを引き留めようとするカイエンも凄くて。そして、迷いを断ち切ったカイエンは必殺剣を極めるのでした。カッコイイ!

 

多くは語らずただ見守る観客(4部)

楽屋に戻ったらマ(

4部はもう感想といっても、ラストダンジョンの曲とケフカ最終決戦の妖精乱舞、そして蘇る緑ですね。
個人的な話になりますが、自分は FF14 のプレイヤーで、難しいコンテンツでケフカとよく戦っていた時期があり、何度も何度も妖精乱舞を聴いていました。なので曲の練習のときにも久しぶりな曲という感じではなく、体にリズムが染みつくぐらい覚えていたし、本番では暗譜して前で頑張るロックをずっと見ていました。それでも、譜面はまぁやばくて。ホルンやトロンボーンより 2ページも多いって珍しいでしょうw でも、第三楽章のパイプオルガンのソロ、そして予兆で開場に響き渡るコーラス、とても力強い後押しになりました。第四楽章はひたすらベースラインを吹き続けました。低音チームでなんとか乗り切った感じでした。テンポ、本番はやくてびっくりしました。どの練習よりも早かった。。全員トランスしてたんじゃないですかね?

そして、ハープの音色で始まる蘇る緑。各キャストが自分のテーマのときに演出を入れながらのエンディング。そのキャラのイメージをもとに思い思いの演出をしました。なんか、カイエンが曲の最初っていうのもみんなを率いている感じがしてよかったですね。ここ、ユーフォ的にはおいしい和音をずっと吹き続けているの耳が幸せでした。
セッツァーはトランプを投げていましたね。もちろん人のいない花道にですが。セッツァーといえばマークはダイヤのAですよ(楽屋で見せてもらった)。最後までむぐむぐ、ミシディアうさぎと一緒に演奏に参加するなど、こだわりたっぷりな演技をしてくれました。エドガー・マッシュのテーマ、エドガーがコントラバスのところまで行ってデュエット。そして、先に吹き終わったエドガーがマッシュに肩ポンして帰っていく。かっこいいんだよなぁ!そしてモグのテーマ、とても楽しそうなモグがウーマロのテーマに入るときに転ぶところまでちゃんと演出。ポンポンずっと揺れてて楽しそうに演奏してたなぁ、と。
ウーマロ、ゴゴのテーマと続いていくんですけど、これまた当日に追加された演出。ゴゴが落ちたところの目玉をなぜかエドガーが持つ。気づいた人どれぐらいいたんだろう…一人めっちゃ気づいた感じのお客さんいたけど観察力あるわぁw そして、ガウのテーマでもセリスが投げられる演出が入ってました。角度的にみえなかったんですけど、エンディングにまで小ネタをいっぱい入れてくるのがほんと最高ですよね。そしてセリスのテーマとロックのテーマが合わさるところ。もう、詳しく言うよりもいっぱいファンアート書いてくれた人がいるので、ハッシュタグを追いかけてそっちを見てくれ!ほんと幸せになれよ、って感じです。ロックカッコイイ!
そして、ティナのテーマ。マディンとのやり取りのシーン。人間として生きることを決めたティナの思いが表現されていましたし、リルムのテーマでは、4部だけ持ち込んでいた絵筆を使って空に絵をかく演出。幻獣と魔法の力がなくなった世界なら本当の似顔絵がかけたのかしら。いやーこの後の展開分かっているからこそ、リルムには幸せになってほしいと思ってしまいました(親バカ)。
さて、最後のお仕事ですね。シャドウのテーマ。ゲームのエンディングではインターセプターに別れを告げてビリーのことを回想しながら瓦礫の塔と共に沈むんですけど、インターセプターはステージ上にはいなかったので、ケフカに対して「友と……家族と……」と言った彼が何を最期に思ったのかを想像して演じました。空を眺めて下を向いて目を瞑り、思いを馳せたのちリルムのほうに一瞥をくれてから沈んでいく。見てくれた人に訴えることができる演技であったなら幸いです。ストラゴスにはほんとリルムのことを後は頼んだという思いしかないです。リルム→シャドウ→ストラゴスの流れで曲が流れるの本当に良いですね。無事瓦礫の塔を脱出した一行はファルコンと共に飛び立っていきます。幻獣の力をなくしても消えなかったティナ。ポニーテールを外して風になびく髪の演出は当時のドットそのもので素敵でした。そして迎えるエンディング。演奏しきった満足感に満ちていました。

 

アンコールとお見送り、まとめ

フィガロオケでは全曲やっているので意図的にやらなかったアンコール。フィガロ吹にはありました!ずっと忍ばせていた客席のメンバーを使って狂信集団。いきなりスッと立って舞台上に集まる表現も斬新でよかったですよね。まさか客席にオケメンバーを配置しているとは予想できなかったでしょうし。そして、そのままじゃ終わる雰囲気にならないのでおかわりのバトルメドレー。完全に忙しい人のための FF6 メドレーでしたが、残る力を使って吹き納めました。お見送りのシンセサイザーを背に舞台から退場です。ロックがセリスを連れて帰っていくのは奏者はおろか、セリス自身も知りませんでした。最後までやってくれますw

楽屋に戻ったらマスクを取り払わず、水分補給だけ。長時間聴いて頂いた皆様にお礼を言うためにロビーに向かいました。……向かおうとしましたが、もう出て行ってすぐにお客さんから写真撮影の依頼が。そしてロビーに到着してもお礼を言いに行ったというより、国際展示場にでも行ったんじゃないかと言わんばかりの囲まれぶりでした。あんななりをしておいて、普段所属しているバンドでもコスプレをしているとはいえ、演奏会でしかコスプレしないので、写真を撮られまくることに慣れておらず、ひたすらたじたじしながら応じていましたw 挙動がおかしかったならごめんなさい m(_ _)m
途中でインターセプターと合流したり、リルムにお願いして一緒に写真をとってもらいました。イベントレイヤーさんってホント凄いなと思ったのと同時に、シャドウもいっぱい愛されててよかったなーと思いました。まぁ、あまりにお願いされすぎたせいで、知り合いの人と喋る時間がそこまで取れなかったのは少し残念な部分もありましたがw また、後日どこかでお会いした際にはぜひ感想を聞かせてくださいね。

というわけで、自己満足でしかない文章まとめもこの辺で締めたいと思います。感想の観点が演出の絡むところが多めとなってしまいましたが、情景描写に必要な根底として演奏があることは言うまでもないです。これからも FF6 の曲を演奏できる機会に恵まれることを祈っています。また、パンフレットに挟んであったチラシの楽団もそれぞれ良い演奏をしてくれると思いますし、そのうちの1つ、私が所属しているGAMEバンドではコスプレして演奏が大多数になっていることもあっていろんなキャラクターの姿を見ることができると思います。ぜひ、何かゲーム音楽を聴きたくなったらいずれかの楽団に足を運ばれてはいかがでしょうか!
改めて、フィガロ王立吹奏楽団(フィガロ吹)にご来場いただきありがとうございました。そして、企画してくれたトモさんとよしのさん、スタッフの皆様、奏者のみんな、コスプレしたメンツ、一緒に楽しい演奏会を経験できてとても嬉しかったです。

 

おかゆ AS Shadow