とろんぼにうむ

思い立ったときに徒然なるままになにか書く場所

フィガロ吹のおもいで(練習編)

先日は「フィガロ王立吹奏楽団(フィガロ吹)」に奏者として参加してきました。あ、居たことに気づいたか分かりませんが、ついでにシャドウを演じてきました。ご来場頂けた方、参加叶わずも応援下さった方どうもありがとうございました。ほかの人の感想に感化されてなにか自分でも残しておこうと思い、筆不精ながら書き記してみようと思いました。とりとめもない文章になっていることはあらかじめ謝っておきます。(あくまで一人の参加者個人の感想ですのでご了承ください)

前半は主に練習期間の話、後半は本番当日の話にする予定です。

簡単な自己紹介(読み飛ばしていいとこ)

高校から吹奏楽をはじめた。社会人になるまでずっとユーフォニアム奏者。社会人でビックバンドを組むにあたりトロンボーンも練習。その後転勤で関東にきて GAMEバンドに所属。以降、メインはトロンボーンに。
企画団体としては、吹奏楽ミスリルユーフォニアム)、光のオーケストラ(トロンボーン)に参加経験あり。

 

フィガロ吹参加のきっかけ

皆さんもご存知の通り、フィガロ吹には姉妹楽団として「フィガロ王立管弦楽団フィガロオケ)」があります。実は自分は、当初この管弦楽団をやる話があった時に、これを乗らずしてどうするよ!!という勢いでエントリーしました。オーケストラなので、エントリー楽器はトロンボーンでしたが、残念ながら選考もれ。「FF6 愛されてるなー残念」という感じでそこでひとまずあきらめていました。

その後、管楽器のエントリーがあまりに多かったことで吹奏楽の演奏会も企画されることが発表されました。おおっ!?と思ったものの、すぐにはエントリーしませんでした。自分の中でオーケストラをやったあとの吹奏楽が比べられることに対する不安とかが先にあったので、即やってやろう!とはならなかったのです。。

それでも、参加するか考えたあげく、やはり FF6 は大好きな作品なので出ないと後悔しそうという方が勝ったのでエントリーしました。今ではこの判断は間違ってなかったなととても思っています。

 

練習(フィガロオケまでぐらい)

練習は 10月の中頃から月2ぐらいのペースでやってました。初めて譜面見たときの感想は、テンションぶち上がりですね。あれもこれもサントラにある曲がこんなにたくさん!って感じで。特に、蘇る緑は前からやりたかった曲だったので楽しみでした。

トモさんとは私が所属する GAMEバンドの演奏会で共演したことがありました(というのをあとの飲み会で知りました)。この会はメインで FF9 を演奏し、トモさんは CCM のメンバーとして演出でおひねりを投げてくれ、自分は演出のときだけ黒子でチャンバラのコマンドをやっていました。なので実際にトモさんの指揮で演奏するのは初めてですね。

前半は他の団体の練習の兼ね合いで参加できない日も時々あり、仲良くなるタイミング逃したかなーと思っていたのですが、懇親会や忘年会などでいろんな人と話できたのと、練習の合間で席の近いボーンやホルンのメンバーと特に話をしてちょっとずつ仲良くなれたかなという感じでした。

譜面の難易度はユーフォ的にはそこまで高くなく、「戦闘曲と妖精乱舞はしゃーないわな、頑張って指回せるようになろーっと」ぐらいの認識でした。当初ユーフォで一緒に乗る人は以前も別の団体でご一緒した人だったのですが、ご多忙で乗れなくなってしまい、別の方が参加する経緯がありました。ただ、この段階ではうまく練習来れる日が合わず、「div. ハモりたいー!」って思いながらぼっちで練習してましたw

 

練習(フィガロオケが終わってから)

フィガロオケの日は個人的に応援している方のライブがあったため、そちらに参加していたので聴きに行くことができませんでした(名古屋にいました)が、SNSやオフで知り合いに聞く限り反響はものすごいものでした。事前情報として全曲やるってことぐらいしか認識していなかったのですが、フィガロ吹からスタッフや客席パートで参加していた人が口をそろえてこういうんです。

吹奏楽へのプレッシャーが半端ない」

コンマスエドガーであることをはじめとして、奏者の何人かがコスプレするし、実際にすばらしい演出もやってのけた。パイプオルガンの存在感がほんとにすごい。ハンカチが足りないぐらい泣いた。などなど。実際にハッシュタグを追いかけると、大量の感想とファンアートにあふれる世界。この時、参加する前に思ったことが改めて頭によぎりました。「…どうやればオーケストラに張り合えんやろ?」

曲の再現度合いではまず勝てない(1 hit!)のに演出までやってきた(2 hit!!)。向こうは全曲やってる(3 hit!!!)。吹奏楽は会場にパイプオルガンのような眼をひくものがない(4 hit!!!!)し立地もやや不便(5 hit!!!!! ぐふっ) …ってなると、たとえ味付けの異なる編成だとしてもやはり聴き劣り、見劣りするんじゃないか?その思いで結構不安になった時期でした。

それでも後悔したくない、吹奏楽にしかいない楽器で参加してるんだからなんとかしたいという思いがあり、ちょうど口頭では聞いていたプレコンに出てみようと譜面を作ることにしました。本編でやらない FF6 の曲が条件、ということでその当時はプログラム上やることになっていなかった「スピナッチ・ラグ」をバリチューのアンサンブルにアレンジしよう!とせこせこ作っていました。

アンサンブルが出来上がったころ、トモさんから譜面の一部改訂とプログラム変更が言い渡されました。その過程で、メドレー構成や曲の追加が入り、練習日も1日追加したりなどエンジンがかかってきたのを覚えています。

 

練習(本番までの残りの時間)

形がある程度出来て曲については精度を上げている中、吹奏楽編成でもコスプレをした奏者を登場させる話がありました。オーケストラとは趣向を変えて、コンマスがこんどはカイエンとなりドマ城復興記念コンサートの体でステージを考えているという話でした。

そのコスプレ奏者の一人が、ボーンのタツキさんでエドガー役としてステージに乗る話を聞いたのですが、普段の練習の休憩時に雑談したときに、自分が「コスプレしながらとかカッコイイじゃないですかー!何か自分も演じてみようかなぁ?」みたいなノリで話しました。「なら、シャドウとかいいんじゃない?」なんて会話をその時はして終わりで、単純に面白そう!という思いしかなかったんですけど、タツキさんはその後の練習でも「マジでプレッシャーが半端なくてやばい。。」みたいな感じで話してたり、ソロパート(改訂で by character name で増えたもの)の練習をやりまくってました。詳しくはタツキさんの感想を見れば分かります!

そんな陛下の思いをくみ取れる前の段階で、ノリで生きてた自分は面白そうなものに乗っかりたいという思いで、コスプレのエントリーをしました。体形と好みと休み時間の会話をもって「シャドウがいいな!」という感じで。結果シャドウをやらせてもらえるようになったのですが、決まったタイミングが 2/14。本番まで2か月しかなく、急ピッチで衣装の準備をはじめました。

と言っても、衣装が自分で作れるほど器用ではないので、作成は外注に依頼です。フィガロオケに行けてなかったので、そちらでは衣装がどんな感じだったかのインプットがありません。でも、きっと良い出来だったんだろうからこだわった衣装にしないとまずそう…という思いで考えました。ベースは天野さんデザインとしました。ただ、シャドウは黒いのでまわりの狂信集団の信者…もとい奏者のみんなに埋もれるのでは困る…ということで、要所は DFFOO のデザインを入れてもらうように依頼しました。

また、この時期にプレコンのエントリーもしましたが、「スピナッチ・ラグ」が本編で採用されることとなりました。奏者負担を考慮してくれたらしいのと、オペラ劇場で流れてるのでうまい箸休めの流れだなーと思いましたが、プレコンでは使えなくなったので、衣装の打ち合わせもしつつ、曲を「ストラゴスのテーマ、ゴゴのテーマ、あの日から…」の 3曲に決めて、トモさんにも協力してもらいつつ編曲をやり直しました。同時にメンバー探しとして、チューバの Mary さんに相談してアンサンブルに乗ってくれと頼み、ツテのような形でボーンの ten さんにチューバ(F管)で乗ってもらうことが決まりました。

そんな感じでラスト 2ヶ月は自業自得なのですが、衣装とプレコンの準備に追われてました。シャドウをやることになって自分にも Solo を入れてもらったので、情景を思い出しながら 該当箇所の練習もいっぱいやりました。
あとは、このころにはタツキさんがエドガーという役自身が比べられることに対して焦っていることもなんとなく感じられ、そのプレッシャーは変わってあげられんけど、エドガーソロ裏で吹いてる大事なシーンがあるじゃないか!せめてそこぐらいは安心して吹いてほしいと思い、休憩中の練習にしれっと音をあわせてハモりの確認をしたりしました。

 

練習最終日(GP)と衣装と脳内会議

コスプレの衣装もひとまず間に合い、練習最終日の GP で実際に衣装を着て演奏を試みました。ですが、ここで思い出してください。

Q:あなたの演じるキャラクターは?
A:シャドウです。
Q:あなたの演奏する楽器は?
A:ユーフォです。
Q:どうやって演奏しますか?
A:………。

「……やべぇ、どうしよう」

考えてみれば当たり前なのです。シャドウで吹奏楽とかどうかしてるんじゃないか、と。GPを通して分かったことは、マスクの目のところは少し広めにしてあったので下に下げれば演奏できますが、視界が狭い。
奏者であることが第一なので、本来は演奏に支障がでることは避けないといけません。なので、残りの1週間で次のような代案を考えました。

  • 演奏中だけマスクをしたからめくって演奏する
  • マスクに切り込みを入れてそこからマウスピースをいれる

ただし、鏡の前でイメージしてみたもののどちらの案も「……ないな。」の一言でした。シャドウのマスクに切り込みが入っているのは気に食わないし、肌がみえるなんてもっとイメージが崩れる。。脳内の天使と悪魔が両方とも却下です。美学に反するって。

(´-ω-`) ……。

「……このままいくか」

かくして、シャドウのイメージを崩さない事を最優先事項とし、狭い視界でどうやってトモさんを見るかという路線でいくことに決定しました。
(ここから長い言い訳タイム) 今回の演奏会は FF6 オンリーである。つまり、ただコスプレしてるだけではなく、舞台上ではシャドウとしてのふるまいが求められると思いました。シャドウっぽい人ではいけない、オーラを纏う必要がある。。さらに、GP で見た他の配役の衣装のクオリティが高い。なにより、フィガロオケにいなかったキャラクターなんだから、当然出ていけば何するか見られるのは必至。妥協なんてやってる場合ではない、と。(ここまで一息)

こうして、本番前日は有給の風を吹かせて、おうちでマスクだけかぶってユーフォを構える不審者になり、鏡とにらめっこする日を過ごしました。

 

そして、夜があけた…!(唐突のDQ風)
本番編(前半)に続く

※おまけ
宣伝ツイートもプチバズったのでここで紹介。見られた方いらっしゃいましたか?